サロンやクリニックには、脱毛前後にNGとされる禁止事項がいくつかありますが、その1つに上げられているのが「予防接種」です。
病気になるのを未然に防ぐための予防接種。受けても一見体に変化はみられないのに、脱毛前後は予防接種が禁止とされています。一体どうしてなのでしょうか?
今回は、脱毛前後に予防接種がNGとなる理由、もし予防接種をしてしまったらどのように対処したらよいか、各サロン・クリニックの対応など、脱毛と予防接種について詳しく解説します。
お品書き
そもそも予防接種とは?
予防接種は、弱毒化または無毒化したワクチンを投与することで体内に抗体を作り出し、免疫力を高めて病気を未然に予防することを目的としています。
ワクチンの種類には大きく3つに分けることができます。
生きているウイルスや細菌、毒性を極めて弱く(弱毒化)したウイルスや細菌を使用したもの。自然感染と同じように免疫ができるため、摂取後に得られる免疫力が極めて高いものの、ウイルスや細菌が体内で増殖するため、摂取後に発熱やなどその病気の軽い症状が出ることもあります。
- 麻疹風疹混合(MR)
- 流行性耳下腺炎(おたふく)
- 水痘ワクチン
- BCG
- ロタウイルス
- ポリオ
大量に培養されたウイルスや細菌から、感染力や毒性をなくし無毒化した成分を使用したもの。生ワクチンのように体の中で増えることはないため、1回の摂取では十分な免疫を得られないことが多く、数回の摂取が必要になります。
- インフルエンザ
- 日本脳炎
- 水痘ワクチン
- 4種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)
- 3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)
- 肺炎球菌
- 子宮頸がん
細菌の持つ毒素のみを取り出し、毒性をなくして免疫をつけるだけの効力を残したもの。不活化ワクチンの一種です。
- ジフテリア
- 破傷風
脱毛前後に予防接種がNGとなる2つの原因
予防接種の注射が何であろうとも、脱毛サロン・クリニックでは予防接種をした直後の脱毛、また脱毛した直後の予防接種をNGとするところがほとんどです。その理由は主に2つあげられます。
予防接種は、弱毒化・無毒化したとはいえ体内にウイルスや細菌を投与することになります。
健康な時と何ら変わらないように見えても、体の中では細菌に対抗する抗体を作り出しており、一時的に軽い感染症にかかっている状態になります。その副反応として、発熱や発疹などの軽い病気の症状が出ることもあり、少なからず体に影響を与えているのです。
体調不良のときに脱毛ができないのと同じように、病原菌と戦い体調が万全ではない予防接種後の脱毛は、体調の悪化をさらに引き起こす可能性が高くなります。そのため、サロン・クリニックでは予防接種後の脱毛をNGとしているのです。
脱毛後の肌はとても乾燥していて、外敵から肌を守るバリア機能の働きも低下しています。この状態で予防接種をすると、外部からのわずかな刺激でも過剰に反応を起こして炎症やかゆみなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。さらに、注射後の患部の腫れもさらに酷くなってしまうことも。
また、予防接種後は体調が万全ではなく、肌のコンディションも悪化します。その状態で脱毛をしても十分な効果を感じられないだけでなく、赤みや発疹などの肌トラブルを招く可能性が高くなります。さらに脱毛前のシェービングでも肌を痛める危険性が高くなってしまいます。
脱毛でツルツル肌を目指しているのに、お肌の治療に時間もお金も費やすことになるのは避けたいですよね。できるだけ早く脱毛を完了させるためにも、予防接種前後の脱毛は避けるようにしましょう。
予防接種と脱毛はどれ位期間をあければいい?
脱毛前後の予防接種については、各サロン・クリニックでNGと定めている期間が異なります。実際、大手サロン・クリニックではどれ位の違いがあるのか、詳しく見てみましょう。
サロン/クリニック名 | 予防接種後の脱毛NG期間 |
---|---|
前後10日間NG | |
前後2週間NG | |
前後最低4日間NG | |
前後最低4日間NG | |
予防接種後、約1ヶ月間NG | |
前後1週間NG | |
リンリン | 前2日 後7日NG |
前後10日間NG | |
前後2週間NG |
サロンやクリニックによっても脱毛NGとする期間に違いはありますが、約1~2週間の間隔をあければ脱毛OKとするところが多くなっています。
ただし、不活化ワクチンが摂取後1週間以内に副反応が起こる可能性が高いのに対し、生ワクチンは体内で弱毒化したウイルスや細菌が徐々に繁殖していくため、副反応が出るタイミングが不活化ワクチンよりも遅いため、4週間以内は注意が必要です。
期間はあくまで目安です。サロンやクリニックが禁止している期間を過ぎたとしても、肌に赤みや腫れのある時、体調があまり良くない時は脱毛を控えるようにしてください。心配な時はサロンやクリニックに相談してくださいね。
もし脱毛前後に予防接種をしてしまったら?
もし脱毛前に予防接種をしてしまったら、速やかにサロンやクリニックに連絡を入れて予約日をずらすようにしましょう。
サロンやクリニックでは、安全に施術が行えるようにルールを設けています。「せっかく予約をしたのにもったいない」「次の予約が先になってしまうから」とサロンやクリニックに内緒にして施術を行い万が一肌トラブルが起きたとしても、ルールを守らなかった以上サロンやクリニックは責任を負ってはくれません。
肌トラブルを起こしても自費で治療をしなくてはならないだけでなく、脱毛完了までも長くなってしまいます。自己判断で脱毛をするのはやめ、予約をずらすようにしましょう。
予防接種後、もし脱毛をしてしまったとしても、必ずしも肌トラブルや体調不良を引き起こすわけではありません。
予防接種後に腫れや微熱などの副反応は必ず起こるものではないので、このような症状が出ていない場合、脱毛をしたとしても影響が出ないケースがほとんどです。
しかし予防接種後に注射をしたことに不安を感じるのであれば、サロンやクリニックに正直に話しておくのも良いでしょう。もし肌に不調が出た場合でも、速やかに対応をする事ができます。
そして、肌や体調に不調を感じたら速やかにサロンやクリニック、もしくは皮膚科に相談をするようにしましょう。悪化させないためにも、放置しておくことは絶対に避けましょうね。
サロン・クリニックのルールを守り安全に脱毛をしよう
予防接種を受けた後の体は、一見何も起こっていないようでも実は病気と闘っている状態で、体内では様々な変化が起こっています。体調や肌の不調を引き起こしやすくなるので、脱毛前後の予防接種は避けるようにしましょう。
サロンやクリニックでは、脱毛前後の予防接種にルールを設けているところがほとんどです。万が一のトラブルを避けるためにも、ルールをしっかり守って安全な脱毛ライフを送りましょう。