脱毛中、注意しなければならないことの1つに「傷」があります。
「転んで怪我をした」「ぶつけて青あざができてしまった」など、体に傷ができることは日常生活の中でも良くある事です。万が一脱毛中に体に傷を作ってしまったら、施術をする事はできるのでしょうか?
今回は、傷があると脱毛はできるのか、またどの程度の傷なら脱毛ができるのかなど、傷跡と脱毛の関係を詳しく解説します。
傷がある時に脱毛する事はできる?
結論から言うと、傷がある場合ほとんどのサロン・クリニックで脱毛をする事はできません。これには脱毛のメカニズムが関係しています。
フラッシュ脱毛やレーザー脱毛の光は黒い色に反応をするという特徴を持っており、ムダ毛のある部位に照射をすると毛根にあるメラニン色素に反応をして高い熱エネルギーが発生し、毛乳頭や毛母細胞にダメージを与えて毛を生えにくくします。その温度は医療脱毛で約200度以上、エステ脱毛で約60~70度もの高温になるんです。
元々傷の周りには炎症が起こっているので、高熱のダメージを与えると傷が悪化する可能性があります。さらに、過度な刺激はメラニン色素の増産にもつながり、色素沈着を引き起こす危険性も。
特にサロンの場合、万が一トラブルが起こったとしても医師による対応ができないため、傷があると脱毛できないところがほとんどです。
たとえ傷が治っていたとしても、傷口に酷い色素沈着があるようなら脱毛する事はできません。
元々私たちの肌は、強い刺激を受けるとメラノサイトが活性化されてメラニン色素が増産されます。怪我をすると傷跡が残るのも、この時のメラニン色素によるものです。
通常は肌のターンオーバーとともに約28日でメラニン色素は皮膚の外へ排出されますが、深い傷を負った際には通常より多くのメラニン色素が生成されるため、排出できずに肌の内部に残って色素沈着を起こします。
先ほどお話したように、フラッシュ脱毛やレーザー脱毛の光はメラニン色素に反応をするため、色素沈着が酷い部分に照射をすると火傷など肌トラブルを起こす可能性があります。たとえ傷が治っていたとしても、色素沈着の度合いによっては脱毛NGになることもあるんです。
かさぶたも脱毛の光が反応をしてしまうため施術NGになることが多いです。そもそもかさぶたの場合、下にある傷はまだ治りきっていないことが多く、脱毛によって傷が悪化する可能性もあります。かさぶたが取れ、完全に傷が治ってから脱毛をするようにしましょう。
「全身脱毛の予約をしていたのに傷ができたてしまった」という場合でも、全ての部位が脱毛NGとなるわけではありません。
基本的に傷の部分に照射をすることはできなくても、傷が小さいものであれば保護シールで隠し避けて照射する事が可能です。
どの程度の傷なら脱毛が可能かは、サロンやクリニックの判断によって異なります。もし脱毛前に怪我をして傷を作ってしまったら、脱毛ができるか確認をするようにしましょう。
こんな傷は脱毛できる?
小さな頃に怪我をして残ってしまった傷跡、手術跡やリストカットの跡など、古傷があるという人も少なくないでしょう。
古傷がある場合の判断はサロンやクリニックによって異なりますが、傷が完全に治って目立たず、色素沈着も起きていないようであればそのまま脱毛できるところがほとんどです。但し大きな古傷に関しては、その部位をシールなどで保護して避けて照射をする事が多く、特に脱毛サロンは安全面を考え、古傷への照射も慎重に行います。
そもそも傷跡として残るほどのダメージを追った場合、その部位は毛包にも大きなダメージを与えていることが多く、毛が生えてこないことがほとんどです。実際手術などの経験がある方は、手術跡の周りには毛が生えてきたけれど、傷自体には毛が生えてこないと感じる人も多いのではないでしょうか?
帝王切開などの手術で大きな傷がある場合は、シールで保護して脱毛をする事がほとんどですが、もし傷跡ギリギリまで脱毛をしたいのであれば、1本1本の毛に確実にダメージを与えることができるニードル脱毛を利用するのも1つの方法です。
誰でも1度は「気付いたらいつの間にか青いあざができていた」という経験をしたことがあると思います。何かにぶつかった時などにできる「青タン(内出血)」ですが、この青タンがある箇所は脱毛をする事ができません。
皮膚に切り傷ができると表面に血液が流れますが、青タンは皮膚の下で起きている出血です。直接見ることはできませんが、出血が起こった部位は損傷を受けており、脱毛の光を当てると症状が悪化する恐れがあります。サロンやクリニックでは傷と同じように保護シールを貼り、避けて施術を行うことがほとんどです。
女性の場合、青タンは打撲だけでなくホルモンバランスの乱れによってもできやすくなります。知らないうちに青タンができていることもあるので注意しましょう。
傷ができないように注意していても、うっかりできてしまうのが虫刺されによる傷です。
初夏から秋にかけて蚊に刺される人も多いですが、それ以外にも蜂や毛虫など日常生活で虫に刺される危険性は1年中誰にでもあります。
虫刺されは掻いて傷ができてしまった場合はもちろんですが、赤く腫れた時点で脱毛はできません。痒みを我慢しても、腫れたらアウト。照射する事で症状を悪化させてしまう危険性が高いため、その部分の施術を行うことができなくなってしまいます。
肌の露出が多くなる季節は、紫外線だけでなく虫刺されにも注意が必要です。
もし傷ができたらどうする?対策と解決方法
脱毛中に傷ができてしまう原因として多いのが、施術前に行う自己処理です。
脱毛をする前は一般的に、施術の前日~2日前に自己処理をする必要があります。中には剃り残しがあると追加料金が掛かるところ、また施術自体をしてくれないところもあるため念入りに行いたいですよね。しかし念入りに自己処理をしすぎると、逆に肌に傷ができ脱毛ができなくなる可能性もあります。
カミソリは肌を傷付ける危険性が高いので、脱毛中の自己処理には必ず電気シェーバーを使用しましょう。
また自分で処理が難しい場合、パートナーに頼むかサロンやクリニックのシェービングサービスを利用するのも1つの方法です。肌が敏感な人は特に注意が必要なので、事前に相談をしておくと安心ですね。
もし脱毛前に傷ができた場合、必ずサロンやクリニックに自己申告してください。
「これくらいの傷だったら大丈夫!」と自己判断はしないこと。照射をして万が一傷が悪化してしまうと傷の治療が必要となり、脱毛完了までに時間も費用もかかってしまいます。必ずサロンやクリニックの指示を仰ぎましょう。
施術をキャンセルする場合、サロンやクリニックによってはキャンセル料が掛かるところも多いので、傷ができたらできるだけ早く相談することをおすすめします。
脱毛は肌に優しいというものの、大きな負荷がかかることには変わりません。
傷ができた場合、無理に脱毛をするのはおすすめできません。傷が悪化するだけでなく色素沈着を起こす可能性もあり、結果的に無理して脱毛したことを後悔するかもしれません。
脱毛は1回で終わるものではないので、できるだけコンスタントに通いたいという気持ちも解りますが、「傷が治るまで脱毛をお休みする」のが本来ベストな選択肢です。綺麗な肌を手に入れるためには、無理をせず傷が治るのをじっくり待つことも時には大切です。
傷や傷跡は必ずサロン・クリニックに相談を
基本的に傷があると脱毛することはできません。傷が完全に治り、色素沈着も起こしていないようであれば脱毛をすることができますが、自己判断は禁物です。無理をせず、傷が治ってからの脱毛をおすすめします。
古傷の跡などはその大きさや状態、また脱毛方法などによっても脱毛ができるかできないかの判断が分かれます。
傷や傷跡がある場合、まずはサロンやクリニックで相談をしてください。肌トラブルが起きて脱毛が長引くことがないよう注意しましょうね。