「全身脱毛をすると皮膚がんになる可能性がある」
ムダ毛が生えなくなるほどのダメージを肌に受けるのだから、体にも何かしらの影響があるのでは?と不安になりますよね。この噂の真相は、一体どうなのでしょうか?
今回は、脱毛でがんになることはあるのか?体に悪影響はあるのか?を調査しました。安心して脱毛をするためにも、ぜひご一読ください。
お品書き
そもそも「がん(癌)」はどうしてできる?
私たちの体は、骨も血管も内臓もすべて細胞でできており、その数は約60兆個にもなります。
細胞は毎日1%が死にますが、細胞の設計図であるDNAの情報を元にコピーし、新たな細胞が作り出されています。しかし、DNAの一部である遺伝子に傷がつくとコピーエラーが起こり、突如がん細胞が生まれてしまいます。
がん細胞は健康な人の体でも毎日生まれていますが、免疫細胞(リンパ球)によって異物と認識され、退治されています。
けれども、何らかの理由でがん細胞が生き残ってしまうと、正常な細胞のように増殖をコントロールできないため無制限に増え続け、周囲に広がってがん化してしまうのです。
がん細胞は、元は正常な細胞の遺伝子に傷が付くことによって起こります。遺伝子を傷付ける原因には、次のようなものが考えられます。
- 食事、肥満、運動不足など生活習慣
- ウイルスや細菌による感染(ピロリ菌など)
- ホルモン(エストロゲンなど)
- 大気汚染、水質汚染
- 化学物質(アスベストなど)
- 紫外線、放射線
全身脱毛でがんになることはある?
結論からいうと、全身脱毛でがんになることはありません。
中でも、最も懸念されているのが「皮膚がん」ではないかと思います。
先ほどお話したように、がんの原因にはさまざまなものが考えられますが、皮膚がんの原因として最も多いといわれているのが「紫外線」です。
フラッシュ脱毛やレーザー脱毛は、特殊な波長を持つ光を照射し、毛根にダメージを与えて脱毛を行います。光を肌に当てるため、
という不安を感じるかもしれませんが、心配はいりません。
フラッシュ脱毛やレーザー脱毛の光は、がんの原因となる紫外線ではなく「可視光線」や「赤外線」です。紫外線のように遺伝子を傷付けることがないため、脱毛をしてもがん細胞が作り出されることはありません。
フラッシュ脱毛やレーザー脱毛に使用される「可視光線」「赤外線」と、がんの原因ともなる「紫外線」の大きな違いは、波長の長さにあります。
まず、私たちの目に見えている光が「可視光線」です。可視光線は、一番波長の短い紫から波長の長い赤まで7色で表現されることが多く、この紫よりもさらに外側にある波長の短いものが「紫外線」、赤よりもさらに外側にある波長の長いものが「赤外線」になります。紫外線と赤外線はともに目に見えません。
波長は長いほどエネルギーが弱く、短いほどエネルギーが強くなります。
図からも分かるように、フラッシュ脱毛やレーザー脱毛に使用されているのは可視光線と赤外線です。波長が長く、紫外線のように遺伝子を傷付けるほどのパワーがないので、施術をしても皮膚がんを起こすことはほぼないと考えてよいでしょう。
「ほくろを触るとがんになる」というウワサを聞いたことはありませんか?
一般的にほくろは良性の腫瘍であり、悪性の腫瘍とは別物なので、ほくろの毛を抜いたからといって簡単に癌へと変化することはないと考えられています。しかしその一方で、「ほくろは癌化する」という意見もあるため、絶対にがんにはならないと言い切ることもできません。
また、一見ほくろにみえても、最初から悪性の腫瘍であるというケースもあります。この場合、照射をすると細胞の増加を促進させて、症状が悪化する恐れもあります。
いずれにせよ、ほくろには余計な刺激を与えないのがベスト。火傷などのトラブルを引き起こす危険性も高いため、ほくろへの照射は避けるようにしてくださいね。
フラッシュ脱毛やレーザー脱毛は人体に影響がある?
脱毛ががんを引き起こすことはないというのは、お分かりいただけたと思います。けれども、肌の奥まで光が届くので、体に何かしらの副作用が出るのでは?と心配している方もいるでしょう。
特に、紫外線と比べても、フラッシュ脱毛やレーザー脱毛で使用する可視光線や紫外線は波長が長いので、内臓まで光が届いて何かしらのダメージを与えるのではないかと不安に感じるかもしれませんが、パワーの強いレーザー脱毛でも、皮膚から3~4mm程度のところまでしか届きません。
皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」と3層に分かれていますが、一番長い波長でも皮下組織の下部までしか届かないため、内臓に影響を及ぼすことはありません!
「フラッシュ脱毛をすると乳がんになるリスクが高くなる」「VIO脱毛をすると子宮がんになる」などといったウワサを気にして脱毛に踏み切れないという人もいるかもしれませんが、これも全く心配無用です!
乳がんになる原因は様々ですが、食生活の乱れや遺伝、中でも特に大きく関係しているのが女性ホルモンである「エストロゲン」です。脱毛をしたからといって、エストロゲンの分泌が盛んになることはありません。
また、子宮頸がんはヒトパピローマウイルスの感染が原因となって起こります。そもそも脱毛は皮膚の表面にしか影響がないため、子宮に大きな影響を与えることもありません。
子宮がんだけでなく、子宮筋腫や不妊症に繋がることもないので、安心してくださいね。
脱毛で起こる可能性のある副作用
フラッシュ脱毛やレーザー脱毛で健康を害することはありませんが、全くリスクがないわけでもありません。次に脱毛で起こる可能性のある副作用をご紹介します。
以上のように、健康を害することのないフラッシュ脱毛やレーザー脱毛でも副作用は起こりえます。しかし、自己処理を続けることによって起こるトラブルの方が、よっぽど体に負担を掛けてしまうことを覚えておいてくださいね。
脱毛のリスクを避けるためにできること
がんになることも、健康を害することもないと分かっていても、できるだけ体に負担を掛けず副作用を減らして脱毛をしたいですよね。そこで、リスクを避けるためにできることをご紹介します。
脱毛によってトラブルが生じる時、施術者のミスも大きく関係してきます。
脱毛は安全といっても、その人の肌質や毛質を見極めて適切な出力で照射を行わないと効果が出ないばかりか、思わぬ肌トラブルを引き起こす可能性があります。ほくろやシミにウッカリ照射ミスをすることもあるかもしれません。
特に値段だけでサロン・クリニックを選ぶのはとっても危険!使用している脱毛機が粗悪なだけでなく、技術者のトレーニング不足で安く抑えているケースもないとはいえないため、相場より安すぎるところは要注意です。
個人経営よりも大手の方がスタッフの研修に力を入れているだけでなく、施術する数も多く経験豊富なのでおすすめです。
最新のマシンを使用し、さらにスタッフの技術力が高くても、脱毛中に禁止されている事項を守らないと体がダメージを受けるリスクも高くなります。
例えば「脱毛期間中は日焼けをしない」「脱毛当日はお酒を飲まない」など、サロンやクリニックでは脱毛に関するルールの説明を必ず行います。このルールにはちゃんと理由があり、守らないと十分な脱毛効果が得られないだけでなく、肌トラブルを起こすリスクが高くなってしまいます。
脱毛期間も長くなるとウッカリ忘れてしまいがちですが、安全に脱毛を続けるためにも時々禁止事項を再確認して守るように心がけましょう。
ルールを守って安全に脱毛をしよう
全身脱毛をしたからといって、がんになることはありません。また、内臓や血管に悪影響を与えることもなく、健康を害することはないので安心してください。
ただし、リスクが全くないわけではありません。ルールをしっかり守ることが、安全に脱毛するためには大切であるということを覚えていてください。
サロン・クリニックをしっかり比較をし、自分にピッタリ合ったところを選んで素敵な脱毛ライフを送ってくださいね。