脱毛は安全性が高いとはいえ、こうしたウワサを聞くと心配になりますよね。実際、体に与える影響に不安を感じて脱毛をためらっている人も多いのでは?
基本的に脱毛が体に悪影響を及ぼし、健康を害することはありません。しかし、毛根にダメージを与える脱毛は、少なからず肌には負担を掛けているので、後遺症や副作用が起こらないか心配ですよね。
今回は、全身脱毛で起こる可能性が高い副作用や後遺症、またその対策方法についてご紹介します。
全身脱毛で起こる副作用と対処法
全身脱毛後、皮膚に赤みが出ることがあります。
フラッシュ脱毛やレーザー脱毛は、毛根に含まれるメラニン色素に反応する光を照射し、発生した熱エネルギーで毛乳頭にダメージを与えます。毛穴は軽い火傷を負った状態となり、赤み(炎症)や腫れが引き起こされるのです。
この皮膚の赤みは脱毛後の正常な反応なので、ほとんどの場合数時間~数日で自然に治まります。保湿を十分に行い、赤みが強いときは濡れタオルで優しく患部を冷やし、クリニックなどで処方された薬を使用しましょう。
- 保湿を十分に行う
- 濡れタオルなどで冷やす(冷やしすぎない!)
- クリニックの場合は処方された治療薬を塗布する
脱毛の赤みはほとんどの場合数日で自然と治まりますが、1週間経っても治まらない場合、また水ぶくれや黒ずみなどの色素沈着が見られる場合、火傷を起こしている可能性があります。
火傷を起こす原因として、次のようなことが考えられます。
- 脱毛機の性能に問題がある(脱毛機が古い)
- スタッフの技量不足(出力が強すぎ)
- 肌の色が元々濃い、もしくは日焼けしていた
- 肌が酷く乾燥していた
「火傷かも」と思ったら、すぐにサロンやクリニックに連絡をして速やかに適切な対処を行いましょう。
クリニックは医師が常駐しているので、火傷などトラブルが起きたときでもすぐに診察・治療を受けることができます。サロンの場合でも医療機関と提携しているところもあるので、まずは症状を連絡・相談してください。
サロンやクリニックに連絡をし、医師による適切な治療を受ける
脱毛後、ニキビのような赤いブツブツができた場合、「毛嚢炎」の可能性があります。
脱毛をすると毛穴が大きなダメージを受けるだけでなく、肌のバリア機能も低下します。そこにブドウ球菌が感染をし、毛穴が炎症を起こすのが「毛嚢炎」です。
軽度の場合は赤いブツブツですが、中央に膿(うみ)を持つことや酷い時は痛みを伴うことも。
毛嚢炎は、肌を保湿して清潔な状態に保てば1~2週間程度で自然治癒します。しかし症状が酷いようであれば、早目にクリニックを受診するようにしてください。
- 気になっても絶対に手で触らない
- 肌を清潔な状態に保つ
- 症状が酷い時は抗菌薬、ステロイドなどを使用する
本来であれば脱毛の効果が得られるはずが、まれに施術後ムダ毛が濃くなる「硬毛化」や、ムダ毛が増える「増毛化」といった症状が起こることがあります。
硬毛化の原因は明確にはなっていませんが、うなじ、二の腕、背中、肩など元々産毛の多い部位に起こりやすいことから、メラニン色素の少ない産毛に十分なダメージを与えることができず、逆に活性化してしまうためと考えられています。
硬毛化や増毛化が起きた場合の対応方法は様々です。出力を上げて再照射することもあれば、しばらく脱毛をお休みして様子をみることも。クリニックの場合は、脱毛機を変えて再照射することもあります。
硬毛化が起きた時に無料で対応してくれる保証が付いていることもあるので、まずはサロン・クリニックに相談をしてみてください。
- 今までよりも出力を上げて再照射する
- しばらく脱毛をお休みして様子をみる
- 脱毛機を変えて再照射する
脱毛後に汗が増えたと感じる人は実は少なくありません。
これは「毛がなくなったこと」が最も大きな原因とされ、それまで汗を留めていたムダ毛がなくなり、汗が肌を伝いやすくなるためと考えられています。
しかし中には、脱毛によって汗腺が活性化されて汗が一時的に増える「脱毛後多汗症」や、汗を気にするあまりに汗が増えてしまう「精神的発汗」といった症状が出ることも。
脱毛後の発汗は一時的なものなので、過度に心配しすぎないことがベスト。制汗剤や汗取りパットなどで対策を行い、それでも気になるときは皮膚科で治療をすると良いでしょう。
- 必要以上に気にしすぎない
- 制汗剤や汗取りパットを使用する
- 皮膚科で治療を受ける(ボトックス注射など)
全身脱毛で起こる副作用・後遺症に関するQ&A
「全身脱毛をしたら癌(ガン)になる可能性が高くなる」といったウワサもありますが、実際は脱毛することでガンになることはありません。
脱毛に使用されている光は赤外線に近いもの。皮膚ガンを引き起こす原因ともなる紫外線とは全く別物です。さらに脱毛の光は皮膚の表面から3~4mm程度、毛根部分にまでしか届かないため、血管や内臓に影響を与え健康を害することはほぼありません。
ただし、ホクロやシミへ過度な刺激を与えると悪性化する可能性も否定できないため、直接の照射は避けるようにしてください。
先ほどもお話したとおり、脱毛に使用されている光は赤外線に近いものです。シミの原因となるメラニンを作り出す紫外線とは別物なので、脱毛の光が直接シミを作り出すことはありません。
しかし、脱毛後シミができてしまったと感じる人もいます。これには次の2つの理由が考えられます。
1つは、脱毛後に適切な肌ケアをしなかったため、色素沈着が起こったからです。脱毛後の肌はバリア機能が低下しています。念入りに保湿と紫外線対策を行い、外部からの刺激から肌を守るようにしましょう。
そしてもう1つは、脱毛したことで肌のターンオーバーが促進され、肌の奥にあったシミが表面に浮き出たためです。これは一時的にシミが濃く見えるだけであり、ターンオーバーがさらに進むと表面から剥がれ落ちて自然となくなります。
体毛の濃さや太さは男性ホルモンと女性ホルモンのバランスによって変化しますが、全身脱毛をしてもホルモンのバランスが崩れることはありません。
そもそもフラッシュ脱毛やレーザー脱毛は皮膚の浅いところにある毛根に働きかけるものであって、ホルモンの分泌や運搬に関わるリンパや血管に作用するものではありません。
ホルモンバランスは過度のストレス、睡眠不足、運動不足など生活習慣の乱れ、食生活の乱れ、疲労などによって簡単に崩れてしまいます。ホルモンバランスが乱れると体毛の濃さや太さに影響を及ぼすこともありますが、今生えている毛を抜いたからといってホルモンバランスは乱れたりしないので安心してくださいね。
副作用・後遺症が心配ならクリニックがおすすめ
全身脱毛は少なからず毛根にダメージを与えるので、体に何かしらの影響を与えるのではと不安に感じる人も多いでしょう。
サロンやクリニックで行われている脱毛は安全性が高いので、健康を害することや後遺症の心配はありません。しかし肌トラブルなど副作用のリスクは必ず付いてまわるので、心配な方はクリニックを選ぶことをお勧めします。
トラブルが起きた時に最も大切なことは「迅速に対応できること」です。クリニックは医師が常駐しているので、万が一の時でも安心です。
副作用のリスクを十分に理解して、自分に合った脱毛方法を見つけてくださいね。