「医療脱毛で永久脱毛をしたい」と思っても、誰もが施術を受けることができるわけではありません。肌や体の状態によっては、脱毛を断られることもあります。
今回は、医療脱毛ができないのはどのような人なのか、なぜ施術ができないのか断られる理由を詳しく解説します。これから脱毛を受ける方はぜひ事前にチェックしてみてください。
医療脱毛ができない肌の状態
ニキビは主に、炎症のない「白ニキビ」「黒ニキビ」、炎症のある「赤ニキビ」「膿(うみ)ニキビ」の4つに分けることができます。
もしニキビがあったとしても、ニキビの初期段階である「白ニキビ」なら施術をOKとするところがほとんどです。しかし、炎症を伴う「赤ニキビ」や「膿ニキビ」の場合、レーザーの光を当てると症状が悪化するおそれがあるため、治るまで照射をしないことが多くなっています。
また、医療レーザー脱毛は、メラニン色素の黒い色に反応をする光を照射して毛根にダメージを与えて毛を生えにくくします。黒い色であればメラニン色素以外にも反応をするため、白ニキビが酸化して起こる「黒ニキビ」への照射は、クリニックやその状態よって対応が異なります。
ちなみに、酷いニキビがあってもその箇所を避ければ施術を行うことはできますが、広範囲に渡る時は施術自体を断られることも。ニキビがある場合は、まず治癒を目指しましょう。
アザ・シミ・ホクロは、その状態によって照射できるかできないかが変わってきます。
お話したように医療レーザー脱毛の光は黒い色に反応をするため、濃いアザやシミ、ホクロに照射をすると火傷を起こす可能性が高く、直接施術を行うことができません。通常は保護シールを貼り、その部分を避けて脱毛を行います。
ただし薄いアザやシミ、ホクロは直接照射をすること。しかも、医療レーザー脱毛の光によって薄くなることや、中には綺麗に消えてしまうこともあります。
ただし、「肝斑」がある人は要注意。肝斑の場合、医療レーザー脱毛の光が刺激となり逆に悪化して濃くなってしまう恐れがあります。
また、ニードル脱毛であればアザやシミの部分でも脱毛できますが、ホクロに生えている毛はニードル脱毛でも施術を行うことができません。シミやアザ、ホクロの部分の脱毛をしたい場合、脱毛をする前にクリニックで除去するのも1つの方法です。
脱毛というと敏感肌やアトピー肌の方にはハードルが高く感じるかもしれませんが、自己処理の方が肌に大きな負担を与えるため、断然脱毛がおすすめです。
また、敏感肌やアトピー肌の方にはサロンの光脱毛よりもクリニックの医療脱毛がおすすめです。医師が常駐するから万が一肌トラブルが起きてもすぐに適切な対応を取ることができます。
ただし、敏感肌・アトピー肌でも医療脱毛ができるのは、肌状態が安定している人のみ。アトピーや肌荒れが悪化して肌の状態が悪い時は、肌トラブルを起こす可能性が高く脱毛することができません。
さらに薬を使用している人は注意が必要となり、内服薬はもちろん外用薬もNG。特にステロイドを長期間使用していると免疫力が低下しているので、肌トラブルや感染症を起こすリスクが高くなります。肌状態が十分に回復してから脱毛を行うようにしてくださいね。
先ほどお話したように、医療脱毛の光はメラニン色素以外の黒い色にも反応します。タトゥー(入れ墨・刺青)やアートメイクのある部位に照射をすると火傷を起こす危険性があるので、脱毛をすることができません。
タトゥーやアートメイクの部分を避ければ照射も可能ですが、全身に渡ってタトゥーが入っている場合は施術自体がNGとなることも。中には、タトゥーがあるだけで入店NGのクリニックもあります。
また、眉やアイラインにアートメイクを入れる人も多いですが、目の周りはデリケートなので元々施術をNGとするクリニックがほとんどです。
ちなみに、ニードル脱毛であればタトゥーやアートメイクの部分も施術が可能で、細かいデザインが崩れることもありません。ただしニードル脱毛は痛みも強く費用も掛かるので、タトゥーをこれから入れようと考えている方は事前に脱毛を済ませておくことをおすすめします。
ピアスやボディピアスをしていても、「施術のときにピアスを外すこと」「ピアスあけてから期間がたっていること」という条件を満たせば脱毛をすることは可能です。
ピアスやボディピアスをしたまま脱毛をすると、施術のときに引っかかって邪魔になるだけでなく、ピアスが光を吸収して熱くなり火傷をする恐れがあります。自分で外せないものは、シールを貼ってその部位を避けて照射をすることもあります。
また、原則として脱毛は傷や怪我のある部位に行うことはできません。
ピアスホールをあける行為は、怪我をしているのと同じ状態です。まだピアスホールが完成していない傷が治りかけの状態で脱毛を行うと、肌トラブルを引き起こす危険性があります。ピアス部分の脱毛は、完全に傷が治ってから行うようにしましょう。
また、現在脱毛中でピアスホールを開けたい人は、脱毛が完了してから行うようにしてくださいね。
手術の種類や場所にもよりますが、美容整形や帝王切開などの手術箇所は傷跡とみなされます。医療レーザー脱毛の光は黒く濃い色に反応をするため、色素沈着が起こりやすい手術跡は火傷や炎症などの肌トラブルを起こすリスクが高く、脱毛NGとなることも。
手術跡があっても、「傷跡が肌の色に近く目立たない」「手術からある程度の期間が経っている」場合は脱毛することができます。また、傷跡が小さなものはシールで保護をして照射をするケースもあります。
クリニックによって傷跡の判断は異なるので、まずはカウンセリングで相談をしてみてください。
ちなみに傷跡として残るものは毛の組織自体がダメージを受けていることが多く、生えてこないことがほとんどです。それでも手術跡のギリギリまで脱毛をしたい場合、ニードル脱毛を選ぶのも1つの方法です。
医療脱毛ができない体の状態
医療脱毛の光が直接お腹の赤ちゃんに影響を及ぼすということはありませんが、妊娠中は長時間同じ体勢を取ることが難しく、悪阻などで体調を崩しやすい時期でもあるため、安全性を考えて脱毛をNGとするケースがほとんどです。
また、妊娠・授乳中はホルモンバランスが乱れているので、脱毛をしても十分効果を感じることができない上、肌の状態も安定していないため肌トラブルを起こす可能性も高くなります。
万が一肌トラブルが起きても、胎児や母乳に影響を及ぼす可能性もあるので使用できる薬が限られてしまい適切な処置ができないことも、妊娠・授乳中の脱毛がNGとなる理由の1つです。
脱毛OKとなるのは授乳が終わってから、また生理が再開したらなどクリニックによって条件が異なるので、事前に確認しておくと良いでしょう。また、妊活中の方、今後妊娠する可能性のある方はコースの有効期限が長いクリニックを選ぶことをおすすめします。
最近はムダ毛の悩みも低年齢化しており、小学生でも毛が濃いことをコンプレックスに感じています。また、お子さんのムダ毛の悩みを何とか解決してあげようと脱毛を考える親御さんも少なくありません。
サロンの中には3歳から脱毛OKとするところもありますが、医療脱毛の場合はほとんどのクリニックで小学生以下の脱毛をNGとしています。年齢制限を設けていないところでも、15歳前後までの脱毛はおすすめしていません。
子供の肌は大人の半分ほどの薄さしかなく、脱毛によって受けるダメージも大人より大きくなります。特に医療脱毛は効果が高い分、肌への負担も大きくなってしまいます。
また、成長期の段階にいる子供はホルモンバランスも整っていないので、毛の成長サイクルである毛周期も安定していません。成長とともにムダ毛が再生することもあり、せっかく脱毛をしても無駄になってしまう可能性もあります。
子供の脱毛は、肌が大人とほぼ同じ厚さの肌になり、生理が安定してホルモンバランスが整う15歳を過ぎた頃が最も理想的です。
カウンセリングでは必ず既往歴を確認しますが、例として次のような持病がある場合医療脱毛を行うことが難しくなります。
- 内臓系疾患がある(B型・C型肝炎、糖尿病、心臓病、肝臓病など)
- 血液系疾患がある
- 癌の既往歴がある
- ペースメーカーを使用している
- 光アレルギー、光線過敏症
- てんかんの既往歴がある
- アルコール依存
- ケロイド体質
上記以外でも、既往歴がある場合は必ずクリニックに伝えてください。症状が落ち着いているからと内緒にして脱毛をするのは絶対にNG!肌トラブルだけでなく、健康を害する恐れもあります。
中には、持病があっても主治医の許可があれば脱毛OKとなることもあるので、まずはカウンセリングで確認をしてくださいね。
低用量ピルや漢方薬など一部の薬を除き、薬を服用中に医療脱毛を行うことはできません。特に次のような薬を使用している際は注意が必要です。
- 抗生物質
- 抗不安薬
- 抗うつ薬
- 抗ヒスタミン薬(鼻炎薬)
- ステロイド剤
- 抗凝固剤、抗血小板剤(アスピリン)
- 免疫抑制剤
- ホルモン剤
基本的に脱毛は健康状態が良好な人のみ行うことができます。体が薬を飲まなくてはならない状態のときに脱毛をすると、思わぬトラブルを招く恐れがあります。また、健康な状態でも一時的に病気と同じ状況を作り出す予防接種を受けた後は、脱毛をする事はできません。
内服薬だけでなく外用薬にも注意が必要です。特に長期に渡ってステロイド剤を使用している場合、肌のバリア機能も正常に働かなくなっている可能性があります。
薬は使用を停止すれば脱毛ができるようになりますが、停止が必要な期間は薬によって様々です。さらに薬をストップすると逆に健康状態に支障をきたすおそれもあるため、自己判断で薬をやめずに必ず主治医に相談するようにしてください。
歯科矯正やインプラントの場合、素材に金属が含まれていると熱を帯びる可能性があるため、脱毛サロンでは施術がNGとなります。
しかし、医療脱毛を行うクリニックの場合は万が一のトラブルにも迅速に対応できるため、歯科矯正やインプラントをしていても脱毛できることがほとんどです。ただし痛みを伴う可能性があるので、口に空気を含ませることや、ガーゼを入れて施術を行うなどの対応をとることもあります。
歯科矯正やインプラントをしていても医療脱毛は可能ですが、虫歯の場合は状態によって医療脱毛でも施術がNGとなります。
歯を少し削るくらいなら脱毛をすることができますが、虫歯がひどく炎症を起こしている時、または抜歯をした後に照射を行うと腫れや炎症が悪化する恐れがあり施術は行えません。
また、抗生物質や鎮痛剤(痛み止め)を服用しているときも施術を行うことはできません。
体の状態とは少し異なりますが、1ヶ月以内に挙式を控えている人は施術を断られることがあります。
医療脱毛は安全性が高いものの、施術時の肌の状態や体調、アフターケアなどによっては「赤み」や「肌荒れ」などのトラブルが起こることも。結婚式では特に露出の多いドレスを着ることも多いので、万が一肌トラブルを起こしてしまったら台無しになってしまいます。
ツルツルの肌で結婚式にのぞみたいという方は、余裕を持って脱毛を行うようにしましょう。
当日脱毛がNGとなる事柄
ここまで医療脱毛ができない人について説明しましたが、施術当日に「ウッカリしてしまった」ことによって脱毛ができなくなってしまう事柄をご紹介します。
医療レーザー脱毛の光は毛根に含まれるメラニン色素に反応をして、毛乳頭にダメージを与えます。日焼けをした肌に照射をすると、肌に増えたメラニン色素に反応してしまい脱毛効果が弱くなってしまうことや、逆に過剰反応をして火傷を起こす危険性もあります。
日焼けは施術当日だけでなく、クリニックに通い続ける間は絶対にNG。ニードル脱毛なら日焼けした肌でも施術はできますが、赤みを帯び炎症を起こしている肌はバリア機能自体が低下しているので、どのような脱毛方法であろうとおすすめできません。
脱毛直前に体を温め血流が良くなる行為をすると、痛みを感じやすくなるだけでなく施術によって炎症などの肌トラブルを起こすリスクが高まります。当日は次のような行為は避けるようにしてください。
- 飲酒(前日から)
- 温泉
- 岩盤浴
- サウナ
- エステ
- 運動
以上のような行為は、脱毛前はもちろんですが、脱毛後も肌の状態を悪化させる恐れがあるため行わないように注意してください。
風邪や発熱など体調不良のときは、免疫力が低下して肌のバリア機能も正常に働きません。無理して施術を行うと肌トラブルや更なる体調の悪化を引き起こす可能性があるため、脱毛をすることはできません。
また、当日薬を服用している場合も脱毛NGです。薬で症状を抑えている状態なので、体調が回復して万全になるのを待って脱毛をするようにしてください。
生理中はホルモンバランスの影響で肌が敏感になっています。脱毛をすると普段よりも痛みを強く感じるだけでなく、刺激を受けた肌が炎症を起こしトラブルを引き起こす可能性が高くなります。
また、生理中でも「タンポンを使用すれば全身脱毛OK」「VIO以外なら施術OK」とするクリニックもありますが、肌への影響を考えると脱毛自体を控えるのがベスト。生理が終わって肌の状態が回復してからのほうが、脱毛効果もアップしますよ。
施術当日、肌の乾燥が酷いと脱毛をすることができません。
肌が乾燥をすると、外からの刺激から体を守る肌のバリア機能も低下します。そのため痛みも感じやすくなり、かゆみや炎症などの肌トラブルを起こす可能性も高くなります。
また、施術時には高熱が発生するので、体内の水分が奪われて肌の乾燥に更なる拍車がかかってしまいます。
脱毛当日はもちろんですが、肌トラブルを避けるためにも脱毛期間中は乾燥を防ぐように心がけてください。
ルールを守って安全に脱毛を行おう
医療脱毛ができない条件に当てはまっているのに、「少し位なら大丈夫だろう」「今は体調が良いから」など自己判断で脱毛を行わないようにしましょう。
クリニックであげている条件は、安全に脱毛するために必要なことなので守るのが鉄則です。脱毛の効果を十分に感じるためにも、まずはコンディションを整えることを最優先してください。
もし不安や疑問を感じたら、まずは主治医やカウンセリングで相談をしてみてくださいね。