全身脱毛は1回で終わることはありません。完了するまでに2~3年はサロンに通う必要があるので、途中何らかの事情で脱毛を断念する事もあるかもしれません。
脱毛サロンの多くは途中で解約をする事ができ、支払った金額も一部戻ってきます。しかし解約するタイミングや契約内容によってはお金が全く戻ってこないことも。
ここでは「解約をして損をした」ということがないように、解約の際に返金される金額の求め方や解約しなくても良いパターン、さらに解約の手順などについて解説します。
お品書き
全身脱毛は中途解約ができる
高額な契約となる全身脱毛。万が一通えなくなった場合、支払った金額はどうなるのか心配になりますよね。
結論から言うと全身脱毛の契約は途中で解約する事ができ、支払った金額も戻ってきます。ただし解約するタイミングや施術済みの回数によって戻る金額は変わります。
タイミングを間違えるとほとんどお金が戻ってこないことも。また、サロンによっては解約に条件を設けているところもあり、すぐに解約ができない場合もあります。
解約を考えた時はできるだけ早く行動をした方が良いですが、自分が解約をして損をするパターンではないか事前に確認をする必要があります。
条件を満たせば全額返金される「クーリングオフ」
脱毛サロンに支払った金額が唯一全額返金されるパターンがあります。それが「クーリングオフ」です。
クーリングオフの条件
クーリングオフが適応されるには、以下の条件を満たす必要があります。
- 契約後8日以内(契約書を受け取った日を1日目とする)
- 契約期間が1ヶ月以上
- 契約金額が5万円以上
以上の条件を満たす場合、どんな理由であろうとも契約の解除が可能です。「雰囲気に流されて契約してしまった」「説明にはない事が契約書に書いてあった」など理由はなんでもOK。支払った金額は全額返ってきます。
ちなみに以前はクリニックではクーリングオフは適用されず、法律で義務付けられていたのは脱毛サロンのみでした。
クリニックは本来「医療法」や「医師法」などの下にあり、クーリングオフ制度など消費者を守る「特定商取引法」の下になかったからです。
しかしクリニックでの脱毛契約は高額でトラブルの相談も多いため、2017年12月1日よりクリニックでの脱毛にもクーリングオフが適用されるようになりました。
クーリングオフの手順
クーリングオフを使用する場合、サロンに直接電話をかける必要はありません。手順はたったの2つです。
- 契約を解除する旨を記載した通知書を作成する
- 通知書を送付する
これだけでクーリングオフは可能です。クレジット契約をした場合は、脱毛サロンだけでなくクレジット会社にも通知書を送付する必要があります。
また通知書は「届いていない」などというトラブルを避けるためにも、「特定記録郵便」や「簡易書留」などを利用し送付しましょう。
クーリングオフ期間を過ぎても中途解約が可能
契約から8日以内はクーリングオフが適用されますが、8日を過ぎると各サロンの規約に伴って中途解約をする事が可能です。
解約の方法と必要なもの
解約方法はサロンによって異なりますが、主に次の3つの方法があります。
基本的にどのサロンでも店舗での解約が可能です。店舗で解約をする場合は手続きをスムーズに行うために事前に電話連絡をし、来店予約と持参する持ち物を確認しましょう。
・契約書
・印鑑
・通帳など口座が確認できるもの、またはクレジットカード
解約時に必要なものを持参しないと、解約がスムーズに行えなくなります。印鑑は契約時に使用したものが必要となります。
また、返金がある場合は口座情報が確認できるもの、クレジットカードで支払いをした場合はキャンセルを行うため持参するようにしましょう。
店舗にわざわざ出向かなくても、書面のみで解約できるサロンもあります。書類で解約する方法は、コールセンターに電話をすると解約に必要な書類が送付されるので、それに必要事項を記入して返信するだけです。
記入漏れがないように送付前はしっかり確認しましょう。
もう1つ解約の方法として電話での解約があります。直接面と向かうことがないので、「普段お世話になっているスタッフには解約を伝えづらい」という人でも安心です。電話で解約が可能なサロンは、コールセンターに電話をするだけで解約が可能です。
電話をする際には、店舗で解約する時と同じく「契約書」「返金先の口座がわかるもの」を手元に用意しておくとスムーズに手続きが行えます。
サロン別解約方法
3つの解約方法を見てきましたが、サロンによって解約方法は異なります。大手サロンの解約方法をまとめてみました。
サロン名 | 店舗 | 書面 | 電話 |
---|---|---|---|
どのサロンでも店舗での解約は可能ですが、銀座カラーとシースリーは電話のみでも解約ができます。忙しくてサロンに行く時間がないという人でも安心です。
中途解約の返金額はどれくらいか
中途解約を行うと、未消化分の料金が残っている場合は返金を受けることができます。しかし残っている金額が丸々戻ってくるわけではありません。多くのサロンでは返金の際に「解約手数料」が必要となります。
解約手数料と返金額
中途解約の場合、基本的に解約手数料が掛かります。多くのサロンで採用されている解約手数料の計算法は次の通りです。
未消化分の料金 × 10%(上限2万円)
解約手数料は法律で「上限が2万円」と定められているので、上記の計算で2万円を超えた場合は上限となる2万円が解約手数料になります。
次に返金される金額の計算方法は次の通りです。
未消化分の料金(総支払額 – 施術済み分の料金) – 解約手数料
例えば、「6回コースを120,000円で契約して4回施術後に解約をする」場合の返金額を計算してみましょう。
まず1回あたりの施術料金を算出し、「未消化分の料金」を求めます。
120,000円÷6回=20,000円(施術1回の料金)
20,000円×4回=80,000円(施術済み分の料金)
120,000円-80,000円=40,000円(未消化分の料金)
次に「解約手数料」を計算します。
40,000(未消化分)×10%=4,000円(上限20,000円を超えていないので4,000円が解約手数料)
未消化分の料金と解約手数料より「返金額」を計算します。
40,000円-4,000円=36,000円
計算結果より、中途解約時の返金額は36,000円になります。
大手サロンのほとんどはこの計算方式で返金額を求めることができますが、中にはミュゼプラチナムのように解約手数料が一切掛からないというサロンもあります。
独自の計算方法を取っている場合もあるので、解約を考えた際には必ず契約書をチェックしましょう。
「月額制」は解約手数料も返金もナシ
基本的に中途解約に掛かる手数料や返金額の求め方はどこのサロンでも同じですが、プランによっては返金がされないパターンがあります。それは「月額制」です。
月額制は毎月習い事の月謝のようにお金を払い施術を受けるため、回数制のようにまとまったお金が必要ありません。辞めたくなったらいつでも辞めることができ、解約手数料も一切必要ありませんが、返金も一切ありません。キレイモや脱毛ラボの月額制がコレに当たります。
一方注意が必要なのが「月額制」と銘打っていても、総額を分割して支払う分割タイプの月額制です。シースリーや銀座カラーの月額制がこれに当たります。
分割タイプの月額制は総支払額が決まっているため、月謝タイプの月額制とは意味合いが異なります。分割タイプの月額制は回数制と同じく解約手数料が掛かかるので注意しましょう。
「通い放題」は返金額に注意が必要
通い放題プラン(無制限プラン)は施術回数の上限が決まっていないため、1回あたりの施術料金を正確に求めることができません。
そのため各サロンでは、通い放題プランの1回当たりの施術料金の算出方法を独自に定めており、それをもとに返金額を算出しています。
通い放題プランを採用している各サロンの対応を見てみましょう。
サロン名 | 通い放題1回あたりの施術料金 |
---|---|
総額÷18回 | |
総額÷12回(年8回コース) | |
129,000円(固定) | |
総額÷6回 |
返金額の求め方は前述の方法と同じですが、異なるのが「1回あたりの施術料金の求め方」です。
キレイモの場合、全18回とみなして1回当たりの施術料金を求めているのに対し、ストラッシュでは全6回とみなして算出しています。さらにシースリーでは1回129,000円と固定です。
例えば、シースリーの回数無制限コース(総額382,400円)で2回施術後に解約をした場合を見てみましょう。
まず「未消化分の料金」を求めます。
129,000円(1回分固定)×2回=258,000円(施術済み分の料金)
382,400円-258,000円=124,400円(未消化分の料金)
次に「解約手数料」を計算します。
124,400(未消化分)×10%=12,440円(上限20,000円を超えていないので12,440円が解約手数料)
未消化分の料金と解約手数料より「返金額」を計算します。
124,400円-12,440円=111,960円
結果返金額は111,960円になります。
40万円近く払ってたった2回施術をしただけなのに、返金額は3分の1以下になってしまいます。さらに3回施術をすると、返金自体がなくなってしまいます。
このように通い放題プランは解約をするとほとんど返金がない場合もあるので、解約をする前には返金額がどれ位になるか確認をする事が大切です。
さらに解約をせずに休会などを利用して様子をみるというのも1つの方法です。
返金受けるには有効期限などの条件にも注意
中途解約をして返金を受ける際に注意が必要なことがあります。それが有効期限です。
回数制や通い放題のプランには有効期限が付いていることがあります。
中途解約をして返金を受けるには有効期限内に解約をしなくてはならず、有効期限を過ぎてしまうと返金を受けることができなくなってしまいます。中途解約をする際には契約中のコースの有効期限を必ず確認しましょう。
また、「数ヶ月無料キャンペーン」など銘打っている場合、無料期間中に解約されてしまうとサロンも利益がマイナスになってしまいます。そのため一定の期間は解約ができないなどの条件を設けているところもあります。
解約をする際には返金される条件にも注意しましょう。
こんな時は解約しなくても良い!?解約回避方法
解約を考えるきっかけは人それぞれですが、解約が必ずしもベストな選択になるとは限りません。
解約には手数料が掛かる上、場合によっては返金自体がほとんどない事も。そこで解約を回避する方法をいくつかご紹介します。
効果がなかなか出ない
脱毛の効果をあまり感じることができず、サロンをやめたいと思う人もいますよね。
サロンの脱毛は2~3回程度施術を行ったところで、あまり効果は期待できません。サロンでは自己処理がほとんど不要になるまでには約12回、自己処理が必要のないツルツルな肌になるまでに約18回は施術が必要です。
さらに脱毛効果には個人差があるので、これ以上に回数を重ねる必要があることも。
サロンで脱毛効果を感じるためには回数を重ねることが大切です。
6回程度でムダ毛が減ってきたと感じる人が多いので、まだ数回程度脱毛をしただけという人は解約をせずにしばらく様子を見ることをおすすめします。
スタッフと合わない
脱毛サロンのスタッフも人間なので、どうしても相性が合う、合わないがあります。全身脱毛は完了までに長期間通う必要があるため「長い間我慢をして通いたくない」と感じる人もいるかもしれません。
サロンへは高いお金を払って通っているので、我慢をする必要もありません。スタッフと合わない場合は遠慮なく「担当を替えて欲しい」と伝えてOKです。直接言いづらいという人は、コールセンターへ連絡しても良いでしょう。
また通える範囲に別店舗がある場合は、店舗移動をするのも1つの方法です。
引越しや転勤
引越しや転勤などで住まいが変わる可能性は誰にでもあります。転居先にサロンの別店舗があれば、中途解約をすることなく新しい店舗に通い続けることができます。
店舗を移動する際には特に手続きが必要ないところ、手続きが必要なところ、有料で店舗移動が可能なところなど対応は様々です。
引越しや転勤が決まったらすぐ解約するのではなく、転居先に新しい店舗があるか確認してみましょう。
妊娠・出産・授乳など
妊娠や出産をすると体調やホルモンバランスの変化などが理由で脱毛を続けることが難しくなるため、「しばらく通えなくなるし、解約しよう」と考えるかもしれません。
実はサロンには「休会制度」があり、申請をすればお休みができるところが多いんです。休会制度を利用すれば、産後落ち着いてから脱毛を再開する事もできます。
休会制度の有無や有効期限についてはサロンごとで異なるので、しばらくお休みをしたいという人は相談をおすすめします。
「のりかえ割」を使えば解約をしてもお得に脱毛できる
解約はデメリットが大きいと思われますが、実は解約をした方がお得な可能性もあります。それが「のりかえ割」の利用です。
他の脱毛サロンからの乗り換えの場合、「のりかえ割」という割引制度を採用しているサロンがたくさんあります。その多くは解約手数料分以上の割引があるので実質負担もほとんどなく、脱毛を再スタートできます。
のりかえ割の例 | |
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最大5万円割引(パックプラン) | |
30,000円~50,000円の割引(回数パック) | |
最大6万円割引 |
大手サロンではのりかえ割を利用すると大幅な割引が発生します。「通っているサロンを解約したいけれど、全身脱毛は続けたい」という場合はとてもお得です。
またアリシアクリニックのように脱毛サロンからののりかえ割を採用しているところもあるので、解約をしてクリニックに乗り換えたいという人はチェックしてみてくださいね。
解約はできるだけ「損をしない」方法で
解約の手続きは各サロンともとても簡単ですが、多くのサロンでは解約には手数料が発生します。また返金される額もプランによって全く異なり、時には損をする事も。返金される金額がいくらなのかしっかり計算をしてからの解約をおすすめします。
また「もうサロンに通えない」と思った時はすぐに解約を考えるのではなく回避法も考え、できるだけ損の少ない方法を見つけてくださいね。